「好きなことを仕事にする」この耳障りのいい切り口で書かれた書籍は多数あります。
この本は、「社会が抱える矛盾を合理的にとらえ、どう対処することが自分に得なのか」そんな答えを場面ごとに示してくれる。一問一答的な読みやすいビジネス書です。
自分の将来を明るいモノにしたい、そんな自己成長させたい人にオススメです。
1.世の中の不平等を受け入れろ
「世の中は不平等に作られている」「イケメンで生まれる人もいれば、そうでない人もいる」「身長の高さや運動神経の良し悪し、そもそも、生まれ持ったDNAが異なる」(岡崎さん)
「親の収入が違えば、受けられる教育が変わる」「生まれた国が違えば、育つ環境も行ける国も変わる」。「マラソンに例えるなら、スタートライン自体が異なっている」(岡崎さん)
本人が不公平なことに異議を唱えたところで、聴き入れてくれるところも、解決してくれる場所もありません。
いち早く、不公平な現状を受け入れ、自分ができることに取り組むことが自分の人生を好転させることになります。
著者は「全ての人に平等に与えられているモノが1つあり、それは時間である」と述べています。
唯一、平等に与えてもらった時間をなんとなく使うのか、将来のために努力するのかで、10年後に得られる結果は大きく変わります。
まさに、このことに気づき、動き出せるか?先送りするのか?このとらえ方自体、世の中が自由であり、不平等だということです。
2.役にたたない努力は存在しない
「役にたたない努力は存在しない」。「直ぐに報われる努力」と「いつか報われる努力が存在するだけ」。「現代は変化のスピードが早い、すぐに報われる努力を大切にする傾向が強いが、大切なことは、正しい方向に向かって正しい努力をすること」(岡崎さん)
東大に行きたければ、入学できる学力が必要。資格を取得するのには合格ラインを超える必要があり、マッチョになりたければ高負担の筋トレに取り組む必要がある。進むべき目標が決まっていたら突っ走るのみ。(岡崎さん)
著者は学生時代、合唱部だったそうです。見学に行った際に勧誘され、断れなかったことが始めるきっかけだそうです。
社会に出て、なんの役にもたたないと思っていたこの特技は、サラリーマンを辞め講師として登壇するとき、発声の基礎ができていたことが大変役立ったそうです。
「本気で取り組んだ努力は、後日、必ず役に立つ」といっています。
3.ルールを疑う姿勢を持て
「江戸時代の身分階級、士農工商があったから」「敗戦国となりGHQに統治されたからなのかは分からないが、日本人は世界有数のルールを守る民族」だそうです。「正しいルールがあるからこそ、車が安全に走れる」「人々が安心して暮らせる」。「その反面、形骸化した古いルールがあることで、新しい交通手段などが規制されているデメリットもある」(岡崎さん)
私も、この部分は昔から危惧をしていました。
日本のお家芸であり、日本の輸出の主力商品、自動車の輸出額は減少しています。中国やアメリカは、数年前からEV車はもちろん、無人運転の開発を進めています。この分野でシェアを奪われることはほぼ間違いありません。
このことは、安全を最優先とした法律が優先されているため、日本企業が取り組む隙間もなかったことが要因だったと思います。
私は、人命を軽視していいという気はありませんが、「1件も事故があってはならない」そんなルールが優先されているため、将来の何百兆円という利益が得られないことは、大きな国損だと考えます。
目先の利く事業家は、リターンの得られない国を離れ、利益をあげやすいところに資本を動かすのが得意です。
多くの日本人が平和や幸せを享受できているのは、先人が汗水流して稼いでくれたお陰です。十分な財源がなければ公共サービスも社会福祉も立ち行かなくなります。
まとめ
平成の30年は「失われた30年」と呼ばれている。その原因は「真実と向き合わなかったから」。
自分の意見ではなく、誰かから借りた立派そうな意見を言って場をつくろって努力を怠ってきた。(岡崎さん)
日本が好きだからこそ、努力できる人から各人のスキルを高め行動して欲しい。闇雲にトライしても効率が悪いので取り組む順番を考えて欲しい。そのために学ぶことが大切。(岡崎さん)
「おわりに」で一番刺さった言葉は「止まる水は腐る」「人間も一緒」。私も、腐らないよう動き続けて生きたい。
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