自衛隊だけでなく、古い体制を変えようとしない組織の中で働く人はこの書籍を読み、できることを始めるだけで仕事の効率が高まり、日本の生産率を高めることになると思います。
目次
1. 人件費を考慮しない自衛隊の非効率な組織体質
自衛官の給料は、「月に数時間、時間外の勤務があったことが前提で支給されている」と聞いたことがあります。
しかし、教育機関に入校していれば、月曜朝から金曜夕方。海外に派遣されたら3~4カ月、幹部になったら定年までの人生を拘束される印象でした。
幹部が組織に拘束される体制なので、幹部は部下を職場に拘束したい。
人件費が発生しないがゆえに、時間的効率を考えないで仕事を進めてしまう傾向があり、必然的に自衛官は、世間とずれた思考を持ちテクノロジーの進化に乗り遅れる。新しい物を受け入れられづらい前例主義が社会の変化から置いて行かれる土壌を作っているように考えます。
2. 仕事を片付けるスピードの違いは、注力すべき仕事を見極める力
「仕事が速い人と遅い人の違いは、『仕事のスキル』、『頭の回転』、『人脈の広さ』、『豊富な知識と経験』等の差であると思われているが、それらは絶対的な理由ではない」(石川さん)
「最も差がつくことは『注力すべき仕事を見極めて必要な仕事を片付ける』、『それ以外の仕事は人に任せる能力』である」(石川さん)。
石川さんは建設会社に勤めながら、大学の非常勤務講師、セミナー講師、時間管理コンサルタント、税理士を務めるスパーサラリーマン。これだけでも相当な時間が必要なのに、ほぼ毎日YouTubeに自らのコンテンツを発信しつつ、今年に入ってから3冊のビジネス書を出版している。
つまり、肩書に偽りのない、時間管理の専門家である。
3. 仕事効率を下げる、探し物をする時間と低スペックパソコン
私が特に目を引いたのは、「デスクの中の文房具」、「書棚や倉庫の書類」、「パソコンやネットワーク内にあるデータファイル」いわゆる探し物ビッグ3といわれる物を探す時間を劇的に減らす方法でした。
私達は1日平均36分探し物をすることに時間を使うそうです。この時間を短縮することは、労働時間を短くするだけでなく、テンポを崩すことなく作業を継続することができるので、作業効率を高く保つことが可能になるようです。
また、「古いパソコンで仕事をすることは、処理待ちの時間が長くなります。この中途半端な待ち時間中に休憩や別のことをすることにより、作業の効率が大きく低下する」とも言っています。
電車に乗っている30分間、次のアポまでの15分間、グリーン車やカフェを積極的に使うことで、隙間時間で仕事を片付け、かかった料金以上のパフォーマンスを上げることが大切です。
4.先輩の背中をみて仕事を覚えた30年前の日本の会社
面白い視点だったのは、石川さんが就職した30年前は、会社にパソコンは1台だけ、書類を手書きしてからワープロで打ち直す時代。お客様とのやりともFAXや電話が中心で先輩が顧客と話す背中をみることで仕事を学べる機会が多かった。今の時代は全ての人がパソコンを持っている、顧客や社員とのやり取りがメールとなったことで、先輩の背中を見ても学べない。
新人に早く仕事を覚えてもらい戦力になってもらうためには、チーム全体で教育して育てる必要がある。
まとめ
全てのビジネスパーソンがこの本を読んで1%でも仕事の効率を上げることができたら、世界的に効率が悪といわれている日本の生産率が1%改善できることになる。
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