日本人は投資することよりも銀行にお金を預けることを好みます。
「金利が殆ど付かない代わりにリスクがない」元本を減らさない選択ですが、本当に銀行にお金を預けることにリスクはないのでしょうか?
ちょっと考えて見ましょう!
目次
1.銀行預金のリスク(その1)低金利
「銀行にお金を預けておけば安心!」よく耳にする言葉ですが本当にそう思いますか?
確かに、空き巣に入られたときに現金は持っていかれても通帳は持っていかれません。
通帳やキャッシュカードを紛失や焼失しても手続きすれば引き出しは可能です。
しかし、時代は超低金利時代、普通預金を1年預けて得られる金利は0.001%。
つまり、100万円を預けて受取れる金利は10円。
しかも、受け取った利子はしっかりと課税されます。
現在の利子所得は20.315%。小数点以下は切り捨てなので、天引きされる税金は2円にとどまりますが、100万円を1年預けて得られる金利が8円。
「自分のお金を銀行がほぼ無料で管理してくれた」このように捉えるしかありません。
2. 銀行預金のリスク(その2)各種手数料
銀行預金のリスク(その2)は銀行に支払う各種手数料です。
もちろん、住宅ローンを借りるときや、他行へ振込みをする、貸金庫を借りることに手数料がかかるのは仕方ないと考えますが、納得いかないのはATMを利用するときに取られる手数料です。
自分のお金を引き出すのに、時間外1回100円+税がかかります。
もちろん、銀行により、預金残高や給料振込み、住宅ローンの契約の有無により優遇措置を設けているところもありますが、この部分の出費は極力おさえたいものです。
100万円を預けて得られる金利は年8円。それに対して月1回時間外に出金すると1200円+税を引かれることになります。
預金の引き出し方によっては、自ら資産を減らすことになりかねないです。
3. 銀行預金のリスク(その3)インフレ
銀行預金に預けるリスクで見落としがちなのはインフレリスクです。
インフレとはモノが値上がりすることを指します。
IMF(国際通貨基金)の発表によると2022年、日本の物価上昇率は2.5%。
2023年の予想は3.25%。
原油や小麦が今までにないくらい値上げされたことを考えると、もっと上昇していると思いますが、今回はIMFの示す数値である2.5%上昇したと仮定して話を進めます。
平均で物が2.5%値上がりしたということは、あなたの銀行に預けた預金が目減りしたことになります。
あなたが、0.1%の定期預金に預けていて非課税者だった場合、預金が年間2.4%目減りしたことになります。
「2.5%目減りするタンス預金に比べたらまし」と考える人もいますが、(物価上昇ー受取り金利=資産価値の目減)。
毎年、資産価値が目減りしていることを頭の片隅に置いておいてください。
4. 銀行預金のリスク(その4)銀行破綻
もし、銀行が破綻したらあなたの預金はどうなりますか?
「ペイオフがあるから大丈夫だ!」という声が聞こえてきそうですが、本当ですか?
おっしゃる通り、1千万円までの預金と金利は預金保険機構が保証してくれます。
しかし、銀行の資産と負債額が明らかになるまで数ヶ月、あなたの口座は凍結されます。
凍結されている間、住宅ローンの返済やカードの引き落としはどうなるのでしょうか?
口座から引き落としできなければ、返済が進まない、もしくは、別の口座から引き落としするしかありません。
リスク分散のために複数の銀行にお金を預けている方もいると思いますが、「1つの国に置いて大丈夫です?」
円資産しか持っていない状態で急激な円安が起きると、大幅に資産を減らすことになります。
つまり、財産の一部を国外に置いておくこは、自分の資産を守るのに有効な手段なのです。
5. 海外に銀行口座開設するメリットとは?
海外に資産を逃がすことをキャピタルフライトといいます。
キャピタルフライしておくメリットは、日本で深刻な天災や人災が起きたとき、円はもちろん、不動産など資産価値が大幅に下落することになります。この影響を受けない資産を所有することにあります。
正確にいうと、円が安くなる=ドルの価値が相対的に高まる。
海外に逃した資産の価値が上がるため、日本で減った資産を海外の値上がりした資産が補ってくれることになるのです。
上記の事が理解できると、海外の銀行に口座を持ちたくなります。
しかし、闇雲に口座を開いても、その銀行が倒産するリスクがあるため、口座開設する先は資産規模や信頼性を見定めて選定する必要があります。
お金持ちは2012年から始まった急激な円安のあと、目減りする日本の資産を海外に逃がすために、英国の4大銀行であるHSBC(香港上海銀行)に移しました。
香港やマレーシア、シンガポールなど日本からアクセスが良い場所に支店があり、米ドル、豪ドル、加ドル、香港ドルなど1つの口座で10以上の通貨を管理できる「マルチカレンシー口座」を利用できるからです。
もちろん、口座開設をするのには現地に行く必要があり、現地の言語か英語を話す必要があります。
一昔前までは、通訳帯同が認められていた支店もあったのですが、数年前から規則が厳しくなり、口座が簡単に作ることができなくなってしまいました。
まとめ
「お金を銀行に預けておけば安心」この時代は昔のことです。
銀行預金にも様々なリスクがあることを認識して賢く付き合う必要があります。
まずは、お金に関する情報に目を向けて金融リテラシーを高めて下さい。
キャリアコンサルタントや宅建などの国家資格を取得するより簡単で将来の自分を助けることになりますから。
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