日雇い労働者の受け皿となっている大阪の西成。
そこで暮らす労働者の60%が薬物使用経験者、40%が反社会的勢力に属していた人。
どちらに該当しなくても、それなりのワケがあってこの町に流れ着いている。
そんなディープなエリアに潜入取材したのは筑波大学卒のアングラライター。
今回は、この本を読んで私が感じた「恐怖!おカネの知識がない人は永遠に搾取される」についてお伝えいたします。
目次
1. 西成労働者の収入と宵越しの銭を残さないおカネの使い方
「西成の肉体労働は『現金型』と『契約型』の2つの方法でおカネを得ている。
現金型は1日働いて日当を受け取り、契約型は会社が提携する寮に10日、15日住込みながら朝から夕方まで、現場で労働することで報酬を得る。
昔と違い、部屋は個室、お風呂も完備されていて、それなりにオイシイ食事が3食提供され、日曜日はお休み」(國友さん)
「もらえる日給は1万円、寮費や食事代として1日3千円が引かれるので1週間で3.9万円が残るはずである。
しかし、多くの労働者は報酬を受け取ると酒や薬、ギャンブルで散財して3日後には、寮に戻ってくることが多い」(國友さん)
2. 日雇い労働者が500人と仮定した場合の経済効果は月1億円
西成で必要とされる労働力も季節により変動があるとはいえ1日500人の需要があると仮定すると労働者に支払われる日当は1日500万円。
そこから、寮費、食事、酒、賭博など周辺へ与える経済波及効果は月1.5億円。
労働者を手配する業者も複数あり、1日当たり1労働者から3千円を搾取したとして1日150万円、月4500万円の収益が生み出されれています。
多くの労働者がいるお陰で、彼らを使う業者はもちろん、周辺地域の経済が潤っているのです。
もちろん、需要と供給により成り立つことなので文句をいうつもりもありませんが、彼らの支出の一部は「違法賭博」や「ドラッグ」など非合法な所へも流れることになります。
大量の労働者の欲望が、労働の大量供給源になっているばかりか、稼いだおカネの消費地になり、昔から周辺地域の企業や個人事業主を潤す源泉となっているのです。
3. 生きる目的のないこと、おカネの知識がないことが招く不幸
多くの日雇い労働者が労働の対価として得たおカネをギャンブルや酒、薬に使ってしまうのは、生きる目的がないので、目先の快楽を追い求めているのが原因です。
もちろん、目先の快楽を求めることが悪いといいません。
しかし、自分の労働の対価として得たおカネを自分や家族の成長に使わないことは大変にもったいないことなのです。
彼らがいることで、周辺の労働コストを下げることができる。
中抜きできる業者はもちろん、周辺の経済が潤っていることは事実ですが、反面、薬物が蔓延したり、生活保護の不正受給など犯罪が発生しているのも事実なようです。
税金が不正に使われていることは、日本人として許しがたいことですが、おカネの知識がない人達が搾取され、このような不幸を招く要因を作り出しているのです。
まとめ
「週末にパチンコで勝つために1週間仕事を頑張る」。
賭け事に享受しても大概は勝たせてもらえない、もしくは、一時的に勝ったとしも結局は飲み込まれてしまう。
そんな、勝ち目のないことに自分の大切な時間を使い刹那的に生きるのは、おカネに関する知識が不足しているからです。
搾取される者がいるから、搾取する者もイイ思いができる。
いずれにしろ、搾取される側に回っていたら1日も早く抜け出るように考えを改めなければなりません。
考えを変えない限り搾取され続けることになります。
この縮図は西成に限ったことではなく、世界の縮図は大概このような形です。
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