日本で流通している通貨「円」。強い経済力が背景にあるからこそ、外国の銀行や両替所で換金が可能。日本経済発展に尽力してくれた諸先輩方に感謝です。しかし、そんな信頼度の高い日本円を大手両替商に持ち込んだところ拒否されてしまいました。本日は、海外での両替時の注意点についてお伝えします。
1.海外で両替できる日本紙幣とできない日本紙幣
外国に行ったときはなるべく、「レートの高い外貨両替所で換金をしたい!」誰もが思うことです。とくに、少額ではなく、5万や10万円と、まとまった両替をするときは、小数点以下のレートも侮(あなど)れない金額に膨れ上がるので見過ごすことはできません。
世界的に信頼がある日本円。中南米やアフリカを除く国々で換金が可能です。こんな恵まれた通貨ですが、両替所で換金できない日本紙幣があることをご存じでしょうか?
先日、タイ国内で交換レートが1番良いといわれている両替所Super Richに行ったときのことです。1万円札5枚を渡して現地通貨バーツに両替しようとしたところ、その中の1枚がはじき返されました。よく見ると他の4枚と微妙に柄が違っています。一瞬、どこかでニセ札をつかまされたのかと思いましたが、両替のために渡した1万円札は日本のATMで出金したモノ。ニセ札の可能性は限りなくゼロに低いはずです。
言葉の通じない店員は、壁に貼ってある案内を指差します。
そこには、「Announcement We’re no longer selling-buying the old version banknote of Japanese Yen. Starting on October 15th,2019」と書かれています。私なりに訳すと「告知:2019年10月15日以降、古い日本紙幣の取扱いをしません!」
つまり、2004年11月以前に発行されたホログラムが入っていない紙幣(D券)の両替はしないということです。
全ての両替所で旧紙幣の取り扱いを中止しているかはわかりません。しかし、日本国内で、さほど気にすることがない新旧1万円札も、海外では「交換できる」、「できない」という問題が発生するのです。
2.千円札と1万円札では両替レートが違う!?
もう一つ両替所で気付いたことがあります。それは、1万円札とそれ以外の紙幣の為替レートが別に表示されていたということです。
つまり、1万円札から両替するレートと、5千円札×2枚で両替する場合、額面は同じ1万円に対して交換される現地通貨は異なるということです。例えば10万円を換金する場合、1万円札であれば10枚ですむのに、千円札であれば100枚。両替商からしたら千円札の方が数える手間も、換金後の管理も余分にかかることになります。
手間がかかるなら、その差を手数料で埋めるとともに、換金率に差をつけることで1万円以外の取扱いを減らしたくなるのも経済合理性から考えると至極当然なのです。
今回の経験で私は、旧1万円を手元に置いておくことがリスクだということを悟りました。帰国後すぐに家にある旧紙幣を預金して、新紙幣を手元に残すことにします。また、海外に行くときは両替に不利になる可能性のある千円札を財布にいれておくことも、改めようと思います。
3. 円のほかにクレカや国際キャッシュカードなど現金を得る手段を広げておく
海外に出かけるとき、日本の紙幣を大量に持っていっても現地の通貨に交換できなければ、食事も観光もできません。到着した空港で外貨両替しようにも、新紙幣の持ち合わせがない、または、両替屋が旧紙幣を受け付けなければ大変に困ることになります。
もちろん、クレジットカードや国際キャッシュカードがあればATMでキャッシングできます。しかし、実際に引き出せるのは海外のATM操作ができる人で、初心者、語学に不慣れな人はカードを所有していても操作でつまづくことになります。
海外で現金主義を貫くことは、盗難のほかに換金できないリスクをともないます。もちろん、キャッシングできるカードを持っていても、機械に飲み込まれるリスクがないわけではありません。飲み込まれたら出金することができないうえ、取り戻すまでに相当な手間と時間が必要になります。
海外での外貨両替は、どんなトラブルにあうかわかりません。海外で利用可能なクレジットカードや国際キャッシュカードを持つ、あらかじめATMの操作方法を学んでおくなど、二重三重のオプションを準備しておくことが大切です。
まとめ
1. 信頼の高い日本円。しかし、旧紙幣から交換ができない両替商も存在する
2. 高額紙幣以外の紙幣は換金レートが悪くなる場合がある
3. 日本出国前に現地通貨を手にする方法を複数準備しておく
今回、交換を拒まれたのは、福沢諭吉が描かれた旧紙幣(フォログラムなし)でした。その前の紙幣 聖徳太子の肖像が描かれた1万円札は両替してもらえません。もちろん、新紙幣であっても穴あきや切れ目が入っている、一部欠損しているなど、両替商によっては両替を拒否されることもあります。
日本から持ち込む紙幣もそうですが、現地で受け取る紙幣もダメージが著しいものに関してはキレイなものに替えてもらうくらいお札に目をいき届かせたいものです。
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