定年退職後に投資を始めて大きな痛手を負っている人が後を絶ちません。
老後の不安を少しでも解消するために良かれと思って、株やFX取引きを始めるも、特殊な才能を持っていない限り投下した資金を溶かすことになります。
まとまった額の退職金が入ったから投資を始めるのではなく、若いうちから少額の投資を始め損を経験しておくことが大切です。
1. 投資の基本は効率のよい節約術
投資の基本は節約です。
一見すると投資と関係ないように見えますが、効率よく支出を削りながら、支払った金額の一部をポイントやマイルで還元させることは、投資と似ています。
また、生活コストを下げることは、投資に必要なタネ銭を早く集めることになり複利の効果を享受できることになります。
欲望の向くままに散財していては、投資する元手ができません。
また、投資に失敗したあとに生活費を抑えられなければ、立ち直るまで長い期間を要することになります。
お金を貯めるには、次のような長いプロセスが必要です。
1年目、生活の無駄を発見するとともに、不要なモノを買う欲望と戦いながら貯蓄。
2年目、無駄な失費を抑えることに慣れてきたので、支出に関するルールを作ることで、計画的な貯金がでるようになる。
3年目、節約することが当たり前になっているので無駄な失費をすることがほぼなくなり、安定的に貯金ができる。
4年目、節約生活が楽しくなり、より効率のよい節約方法を模索するとともに、金銭以外(労力や時間)にも目が向けられる。
4年目以降の節約術を身に付けたら、無駄なモノに支出することはほとんどありません。
勤務年数が長くなることで収入が増えているので貯蓄をすることが楽になります。
つまり、節約を心がけていれば、貯金は自ずと増えることになります。
2. まとまった金額を銀行に預けても預金が増えない理由
無駄な失費を減らし、まとまった額の預金を銀行に預けてもお金は増えません。
現在は0金利時代、普通預金の金利は0.001%。500万円を預けて支払われる利子は年50円。キャンペーン中の定期預金0.2%でも年千円。
付いた利子には20%以上の税金がかかります。
もちろん、時間外、他行のATMを利用しいて入出金したら手数料を払うことになりますし、送金すれば送金手数料を払うことになるので預金残高は増えないのです。
まとまった資金ができると、銀行から「投資信託の1つでも始めませんか?」と勧められます。そうでなくても、増えていかない預金残高を見ていれば、株やFXで運用したくなるのも人情です。
しかし、ここで問題は、銀行預金の何百倍も利益が望める投資には、何百倍も損するリスクがあるということです。
個人がインターネットを使って取引ができるようになって、はやいモノで30年。
低い手数料で取引できる環境は整っています。しかし、低いハードルを飛び越えた先に待っているのは、数億円を動かす機関投資家やベテラン個人投資家と勝負することになるのです。
3. 手軽に参入できる投資や投資信託に潜む罠
安易な気持ちで株やFXを始めると殆どの人が資産を減らすことになります。
もし、ビギナーズラックで資金を増やすことができても、そこで止めることは難しいため、得た利益に加え手持ち資金を再投資して損出を被ることになるのです。
つまり、市場で利益を出すには、勉強して知識を蓄える、もしくは、既に投資で結果を出している人のやり方をトレースする必要があるのです。
自分で運用して損を出すくらいなら、「証券会社や銀行で投資信託を買えばいい」。
確かにそう考えたくなります。しかし、投資信託は購入する金融機関の他に運用や管理、監査する人達に手数料を支払う必要がある商品です。
つまり、自分が勉強しない分、運用する人達の給料を負担する必要があるということです。
もちろん、高い手数料を払った以上のパフォーマンスを上げてくれるファンドもありますが、高い手数料を支払わなければならない商品はそれだけリターンを得るのが難しくなるのです。
4. 投資の失敗から学べることとは?
テレビや雑誌で活躍しているアナリストが推奨していた銘柄だった。
もしくは、詳しい友人が勧めていたので投資したのに株価が下がった。よくある話です。
どんなに他人を責めたところで、注文の出所があなたの口座であれば、あなたが損を被るしかありません。
逆に、利益が出たときは自分が丸儲けできるのですから、そのリスクを引受けただけにすぎません。
しかし、投資の損からも多くのことを学ぶことができます。
・投資の世界は思い通りにならない厳しい世界である。
・他人が推奨していた銘柄であっても、注文を出した人が損も利益も引き受ける。
・損したくなければ、勉強と研究を継続して投資カンを磨く必要がある。
・勝っても負けても税金に向き合う必要がある。
私も今までに多くの投資をしてきました。
手堅い保険商品や不動産投資、投資した3年後に資金を持ち逃げされた海外投資など様々です。しかし、30~40代までの投資であれば給与収入や他の投資リターンにより損失を補填することは容易です。
困るのは定年後に投資を始めて退職金を失うことです。
取り返しがつく年齢で失った数十万は、定年後に失う数千万円のいい授業料になるということです。
まとめ
1. 投資の基本は効率のよい節約術を身に付けることである
2. 銀行金利だけではお金を増やすことはできない
3. 株やFXの運用にはリスクがともなう。投資信託には多くの手数料が必要
4. やり直しの効く年代から投資に関わっておくことが大切
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